「毎日の家事に追われて、気づけば1日があっという間に終わってしまう…」そんな悩みを抱える共働き家庭は多いですよね。
だからこそ、これから家を建てるなら “家事ラクな間取り” を意識することが大切です。

この記事では、家事がスムーズに進む間取りの実例や、30坪・平屋での工夫、回遊動線の取り入れ方、さらに費用相場まで 主婦目線でわかりやすく解説します。
「効率のいい動線で時短したい」「子育てと家事を両立できる家にしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
家事ラク間取りとは?共働き・子育て世代に人気の理由
「家事ラク間取り」とは、毎日の家事や子育てをできるだけ効率的に進められるように工夫された家の設計のこと。共働きや子育て世帯に特に人気が高い理由は、次のような背景が大きいです。
限られた時間を有効活用したい
朝は子どもの支度と自分の準備、夜は夕食と片付けに追われ、ゆっくり座る時間がないという家庭も多いですよね。動線が整理された間取りなら、移動のムダを減らして家事がスムーズに進みます。
家族みんなが片付けやすい仕組みが必要
収納場所がわかりやすく配置されていると、夫婦どちらが家事を担当しても片付けがラクになります。結果的に家の中が散らかりにくくなり、気持ちの余裕にもつながります。
在宅勤務や子育てとの両立が求められる
テレワークの普及や、子どもを見守りながらの家事ニーズが高まっています。リビングやキッチンとつながったワークスペースや視線が届く配置は、今のライフスタイルにぴったりです。
こうした理由から「家事ラク間取り」は単なる流行ではなく、現代の共働き・子育て世帯にとって暮らしやすさを支えるスタンダードな考え方になってきています。
家事ラク間取りの基本3要素【動線・収納・ワークスペース】
それでは、家事をラクにする『間取りで大切にしたい基本の3つの要素』について見ていきましょう。
- 家事動線の工夫(キッチン・洗面・ランドリーの集約)
- 収納計画の工夫(パントリー・ファミリークローゼット)
- 在宅勤務や趣味に対応するワークスペース
共働きや子育て中の家庭は、とにかく毎日のやることが多いですよね。
そこで欠かせないのが、「効率的に動ける動線」「片付けが続けやすい収納」「家族の暮らし方に合わせたワークスペース」の3つです。

どれも暮らしの快適さを大きく左右するポイントなので、ここでしっかり押さえておきましょう!
家事動線の工夫(キッチン・洗面・ランドリーの集約)
毎日の家事で一番ストレスになりやすいのが、キッチン・洗面所・ランドリーといった水回り。家事をしていると家の中の行き来は意外と多いので、結構しんどいですよね。
そこで、一直線や回遊型に配置された家事動線を採用することで、料理をしながら洗濯機を回したり、子どものお風呂準備をしたりと効率よく動けるようになるのでおすすめです。
移動のムダが省けるので、時短につながるだけでなく、夫婦どちらが家事を担当してもスムーズに作業できます。限られた時間を大切にする共働き家庭にとっては、毎日の小さな効率化が積み重なって大きなゆとりになるので、こういった間取りの工夫を積極的に取り入れることが必須になってきます。
収納計画の工夫(パントリー・ファミリークローゼット)

家事ラクな間取りをつくる上で欠かせないのが「収納の工夫」です。どんなにおしゃれな家でも、モノが片付かず散らかってしまうと生活のしやすさは半減してしまいますよね。
そこで役立つのが「パントリー」と「ファミリークローゼット」です。
パントリーは食材や調理家電の置き場をまとめることで、キッチンが常にスッキリ。買いだめをしても見やすく管理できるので、無駄買いや食品ロスも減らせます。
ファミリークローゼットは家族全員の衣類をまとめて管理できる収納スペースで、洗濯から収納までの動線を短縮できるのが魅力です。
これらを間取りに組み込むことで、家事効率を高めることができるので、意識して取り入れてみてください。
在宅勤務や趣味に対応するワークスペース

最近の家づくりで注目されているのが「ワークスペース」です。
在宅勤務の普及に加え、趣味や勉強に集中できるスペースを求める声がとても増えていますよね。リビングの一角や寝室近くに小さなデスクコーナーを設けるだけでも、作業効率が大きく変わってきます。
共働き家庭の場合、子どもの勉強を見守りながら自分の仕事を進められる「リビングワークスペース」が人気です。
また、扉付きの半個室型にすればオンライン会議も安心。趣味用としても活用できるので「仕事+暮らし」をバランス良く整えられますよ。
無理に広い空間を確保する必要はなく、1〜2畳程度の小さなスペースでも十分役立ちます。
家事ラク間取りの実例集
それでは、実際にどんな家事ラク間取りがあるのか、暮らしに役立つ具体的な事例を見ていきましょう。
ここでは、以下のように家の広さや構造ごとに、人気の間取りパターンを紹介していきます。
- 30坪の家で取り入れやすい間取り例
- 平屋ならではの家事ラク動線
- 2階建ての家事ラク設計(回遊動線・セカンド洗面台)
家族構成や生活スタイルに応じて選べる複数のプランを知っておくことで、自分に合った家づくりの参考にしやすくなります。
それでは、30坪前後の家で実現しやすい間取り実例を見ていきましょう。
30坪の家で取り入れやすい間取り例
延床面積30坪前後の家は、共働きや子育て世帯にとって現実的に選ばれやすいサイズです。限られたスペースの中でも工夫次第で家事ラクをしっかり実現できる広さ。
下記は、30坪の家づくりをする際に取り入れたい代表的な3つのプランです。
- キッチン中心の回遊動線プラン
- ランドリールーム直結プラン
- コンパクトながら収納重視プラン
どれも延べ床面積30坪という制約がある中で、生活動線を最短で動けるようにうまく工夫しながら家族全員が快適に暮らせる知恵が盛り込まれています。
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
キッチン中心の回遊動線プラン

家事ラクの代表的なアイデアが、キッチンを中心に配置した回遊動線。
キッチン・洗面・浴室・リビングをぐるりとつなげることで、料理をしながら洗濯やお風呂の準備が同時に進められるのがとても魅力的です。
特に共働き世帯では時間の使い方が重要になるので、家事の「ながら作業」ができる動線は大きなメリットになります。さらに、子どもがリビングで遊んでいる様子を確認しながら調理できるため、安心感も得られますよ。
ランドリールーム直結プラン

洗濯動線を最短にする工夫として人気なのが、ランドリールーム直結プランです。洗面所のすぐ横にランドリールームを配置し、そのままファミリークローゼットやバルコニーへとつながる動線にしておくと、「洗う・干す・しまう」を一か所で完結させることが出来ます。
共働き家庭では洗濯の手間はかなり大きな負担。ここを時短に繋げることができると毎日の家事がとてもラクになります。
また、ランドリールームにアイロンや収納・洗濯干しができる家事室(ユーティリティスペース)を併設することで、家事コーナーとしての使い勝手もぐっと広がります。
コンパクトでも収納重視プラン

延床30坪ほどの限られた広さでも、工夫次第で収納力をしっかり確保できます。
代表的なのは、玄関横にシューズインクローゼットを設けることで、靴やベビーカー、アウトドア用品をスッキリ収める方法です。また、キッチンには奥行きを浅めにしたパントリーを配置すれば、食材や日用品のストックが一目で分かりやすくなります。
さらに階段下や廊下のデッドスペースを利用して収納棚を造作すると、生活感を隠しながら空間を有効活用できますよ。限られた坪数でも「物の定位置」をつくることで、片付けやすい暮らしが叶います。
平屋ならではの家事ラク動線
それでは、平屋の家で家事をラクにするための動線について見ていきましょう。
平屋でぜひ取り入れたい家事ラク導線はこの3つ。
- 玄関からLDK直結型の動線
- 中庭を中心とした回遊動線
- 将来のバリアフリーを見据えた平屋プラン
平屋は上下移動がなく、ワンフロアで家事や子育てを完結できるのが魅力です。
特に回遊性を持たせた間取りや、中庭を活かしたレイアウトは家事効率だけでなく家族の暮らしやすさも大きく向上させます。加えて、将来のライフステージを考えたバリアフリー設計を最初から取り入れておくと、長く快適に暮らせる住まいになりますよ。
玄関からLDK直結型の動線

平屋の大きなメリットは、ワンフロアで完結できる暮らしやすさ。
その中でも玄関からリビング・ダイニング・キッチン(LDK)に直結できる動線は、子育てや共働き家庭にとってとても便利です。買い物帰りに重い荷物をすぐにキッチンへ運べたり、子どもを連れて帰宅したあともスムーズにリビングへ誘導できるので、家事と育児の両立がしやすくなります。
さらに、玄関横にシューズインクローゼットやパントリーを配置しておくと、片付けや収納もワンアクションで完了するため、暮らしの効率がぐっと高まりますよ。
中庭を中心とした回遊動線

平屋の魅力を活かすなら、中庭を中心にした回遊動線もおすすめです。
家の真ん中に中庭を設けることで、どの部屋からも光と風を取り入れやすく、開放感ある暮らしが実現できます。
また、中庭を回遊できる間取りにすると、キッチンから洗面所、子ども部屋や寝室へもスムーズに移動できるので、家事効率がぐっと高まります。子どもが庭で遊ぶ姿を室内から見守れる安心感もあり、共働きで忙しいご家庭にとって「家事のしやすさ」と「家族のつながり」を両立できるのが大きな魅力です。
将来のバリアフリーを見据えた平屋プラン

平屋はワンフロアで生活が完結するため、将来を見据えたバリアフリー設計と相性が良いです。
廊下幅を広めに取る、段差を極力なくす、引き戸を採用するといった工夫をしておくことで、老後も安心して暮らせます。また、ランドリールームや浴室を寝室の近くに配置すると、体力が落ちたときにも無理なく家事や入浴ができるようになります。
子育て中は子どもを見守りやすく、将来的には夫婦二人でも快適に過ごせる家になるので、長期的な視野で家づくりをしたい家庭におすすめな間取りです。
2階建ての家事ラク設計(回遊動線・セカンド洗面台)
それでは、2階建てで家事を楽にするための工夫について具体的に見ていきましょう。
次のような設計を取り入れると、家事ラクな2階建てに近づけることができます。
- リビング階段+回遊型動線プラン
- セカンド洗面台で混雑解消プラン
- 子育てとプライベートを両立する2階設計
2階建ては平屋に比べて上下移動が増えるため、家事が大変になりがちです。その分、動線や水回り配置を工夫すれば効率性が高まり、生活にメリハリが生まれます。
特に「回遊動線」や「セカンド洗面台」といった設計を取り入れることで、忙しい共働き・子育て世帯にフィットした暮らしやすさを実現できますよ。
リビング階段+回遊型動線プラン

リビング階段を採用した間取りは、家族の動きを自然にリビングへ集めることができ、コミュニケーションが増える点が大きなメリットです。
さらに回遊型の動線を組み合わせることで、2階と1階を行き来する際の無駄な動きが減り、家事効率も高まります。例えば、玄関からリビング、キッチン、水回りをぐるっとつなげるように設計すれば、子どもの帰宅動線や洗濯動線がスムーズになりますよ。
また、リビング階段は見通しが良く、家族の気配を感じやすいのも安心ポイントです。ただし冷暖房効率の低下や生活音の響きやすさといったデメリットもあるため、建具で仕切れる工夫や空調設計をあらかじめ検討しておくことが重要になってきます。
家族のコミュニケーションと効率的な家事動線を両立させたいご家庭にぴったりのプランといえるでしょう。
セカンド洗面台で混雑解消プラン

朝の支度で洗面所が渋滞するのは、共働きや子育て家庭によくあるストレスですよね。そんなときに役立つのが「セカンド洗面台」を設ける工夫です。
2階のホールや寝室近くに小さめの洗面台を設置しておけば、朝の身支度や夜の歯磨きが分散でき、混雑を解消できます。特に子どもが成長して人数分の支度時間が重なる家庭では効果が大きいです。
また、来客時にゲスト用としても使えるので、生活感を出したくないメイン洗面所を見せずに済むのもメリットです。設置スペースは0.5~1畳程度で十分なため、大きな間取り変更をせずに取り入れられるのも魅力的ですよね。
費用も洗面台本体+給排水工事で数十万円ほどが目安になりますので、家族の快適さを考えるとコスパの良い工夫になります。
子育てとプライベートを両立する2階設計

共働き世帯にとって、子育てをしながら自分たちの時間も大切にするのは大きなテーマですよね。2階建ての間取りでは、家族の生活動線とプライベート空間を上手に分ける工夫がポイントになります。
例えば、子ども部屋を2階に配置しつつ、主寝室を少し離れた位置に置くことで、お互いの生活音を気にせず過ごせます。さらに、寝室の近くに夫婦だけのワークスペースや趣味部屋を設ければ、子どもが寝た後に自分たちの時間を楽しむことも可能です。
家族のコミュニケーションを大切にしながらも、適度な距離感をつくれることで、ストレスの少ない暮らしにつながります。
こうした間取りは、子どもの成長に合わせてレイアウトを変更できる柔軟性を持たせておくと安心です。将来的にはセカンドリビングや書斎に変えるなど、長く快適に使える設計を意識すると良いでしょう。
費用相場と注意点
家事ラク間取りを取り入れる際に気になるのが「費用はどのくらいかかるのか」という点ですよね。一般的に30坪前後の家で家事ラクな間取りを実現する場合、建物本体価格は2,000万円〜3,500万円程度が目安になります。
平屋の場合は基礎と屋根の面積が広くなるため、同じ坪数でもやや高くなる傾向があります。
また、家事ラクを追求するほど設備や間取りの工夫が増えるため、オプション費用が上乗せされやすい点も注意が必要です。
たとえばランドリールームやファミリークローゼットを設ける場合、数十万円〜100万円前後の追加費用が発生するケースがあります。
費用を抑えるコツは、設備の優先順位を決めてメリハリをつけること。全部を盛り込みすぎるとコストが膨らみますが、「水回りをまとめる」「収納を一箇所に集約する」といった工夫は比較的コストを抑えつつ効果的です。

家づくりでは「予算オーバーで妥協」になりがちですが、事前にしっかりと相場感を理解しておくことで後悔のない選択ができますよ。
家事ラク間取りで失敗しないためのチェックリスト
家事ラクを目指して工夫を取り入れたつもりでも、実際に住み始めてから「思っていたのと違う…」と後悔してしまうケースは少なくありません。
ここでは、よくある失敗例と回避のためのチェックポイントを整理しました。家づくりを進める前にぜひ確認してみてください。
動線設計での失敗例
水回りを近づけすぎて、逆に音や湿気が気になるケースがあります。たとえば洗面所とリビングを隣接させると、家族の生活音が丸聞こえになることも。動線を短くするだけでなく、プライバシーや快適性もバランスよく考えることが大切です。
収納不足の落とし穴
「収納はたくさんあるはずなのに、実際は物が収まりきらない」という声はよく聞きます。原因は奥行きが深すぎて使いづらい収納や、動線と合っていない収納計画。使う場所の近くに必要な量だけ収納を確保するのが鉄則です。
設備導入でありがちな後悔
乾太くんや食洗機など便利な設備を入れても、使い方を想定して設置場所を考えなかったために不便になることがあります。事前に「誰がどのタイミングで使うのか」をシミュレーションしておくと失敗を防げます。
将来のライフスタイル変化を見落とす
子どもの成長や在宅勤務の増加など、家族の生活スタイルは数年で変わります。「今」だけでなく5年後・10年後を想定して可変性のある間取りにすることが、長く快適に暮らせる家づくりのポイントです。
家事ラク間取りの失敗は、実際に暮らしを始めてから気づくことが多いです。図面の段階で家事や育児の動きをイメージし、家族全員で「どう使うか」をシミュレーションすることが後悔を防ぐ一番の近道ですよ。
まとめ|家事ラク間取りでゆとりある暮らしを
ここまで、家事ラク間取りの基本から実例、費用相場、失敗しないためのチェックポイントまでを解説してきました。
大切なのは「時短・効率・快適さ」を家の設計段階から取り入れることです。そうすることで、毎日の家事や育児に追われる生活から少しずつ余裕が生まれ、家族の時間をもっと大切にできるようになります。
「家事ラクな間取り」は単なる便利さではなく、家族の暮らしをラクにし、心に余裕を持たせる仕組みづくりです。
これから家づくりを考える方は、ぜひ今回のポイントを参考にして、失敗のない快適な住まいを実現してくださいね。


